人類は虫の食べ物を農薬で横取りしている【C3式炭素循環農法】(後編)


目次


5、弱酸性の土壌
6、肥料が菌類の活動を邪魔する
7、まとめ

5、弱酸性の土壌


ではなぜ土壌を
「弱酸性」で作り上げないのかと疑問が起こるだろう。
僕がそうだった。
でもそれは仕方のない話なんだと後でわかった。
農家さんたちを責めても意味がない。

農家さんたちは慣行農法の基本理論に基づいて
忠実に農業を行っている。
慣行農法の基本理論、それは「無機栄養説」だ。
「無機栄養説」は現在の農業の根幹を成す基本理論である。
無機栄養説では肥料を使う。

肥料の吸収効率を上げるために
石灰などをガンガン使って
積極的に土壌をアルカリ性にせざるを得ない
という現実があるようだ。
化学肥料、有機肥料など色々あるが関係ないそうで、
残らずアルカリ性の環境にする必要があるとのこと。

C3式炭素循環農法では
土壌を弱酸性で作り上げることにこだわっている。
どうやって可能にしているのかということだが、
「菌類」に力を貸してもらう。
肥料を使うことがないので
アルカリ性にする必要もないということだ。

一般の認識では肥料を使うと
野菜が栄養満点になるとか身体に良いとか
そういうイメージがあるが、肥料を使うと
永遠にそこにたどり着けないとしーさんは教えてくれた。

ただ、これは一般の人が抱く
肥料に対する良いイメージと異なるため、
売上の低下を恐れ、苦肉の策で商品に
「農薬・化学肥料不使用」というシールを貼ることもある。
一応、嘘は言ってないが本当は
「農薬肥料不使用」というシールを貼りたい。
早くこの認識が一般の人に広まってくれたらな、と思う。

菌類と聞くと勘違いする人がいるが、
細菌と菌類は全くの別物である。
細菌はアルカリ性側の存在だが、
菌類は弱酸性側の存在とのこと。

菌類の力を借りて土壌を作るので
手がスベスベになり女性に大喜びされる。
菌類が喜ぶ環境は弱酸性であり、
これは人と同じなのでC3式炭素循環農法の
土を触るとしっとり保湿される。

僕も一般の畑の土は非常に固く乾いている
イメージがあったので、
実際に醗酵土壌の土を見たり触ったりしてみると
やけにフカフカだし、しっとりと湿っていたりで
本当にこれが畑の土なのかと驚いたことを憶えている。

これで農業系女子が増えてくれれば
このおっさんだらけのパラダイスも
見た目がマシになることだろう。

6、肥料が菌類の活動を邪魔する


しーさんに醗酵土壌で肥料は使えないのか?
と聞いたことがある。
でも肥料と菌類の相性は非常に悪く、
肥料を使いながら菌類の力を借りることは難しいとのことだった。

なぜ肥料と菌類の相性は悪いのか。
それは肥料があると
野菜の根は楽ができてしまうからだそうだ。
勝手に肥料が養分を吸わせてくるので、
根を伸ばして養分を探す必要がなくなってしまうとのこと。

菌類と野菜が共生するには、
菌類が根に噛みつく必要があるので、
肥料があるとわざわざ根を伸ばしたり
痛い思いをしなくても良くなってしまう。
そういうわけで肥料があると
野菜は菌類と共生しないようだ。
それどころか根から根酸を出して
菌類を攻撃してしまうとのこと。

肥料がないと自分で栄養を探さないといけないので
根を伸ばそうとする。
そこで菌類と根が出会って
お互いに利益のあるやり取り(相利共生と呼ばれる)
を行うために、菌類が噛みついて根の一部になるそうだ。

これが菌根という菌(AM菌)だと
しーさんに実物を見せてもらった。

「えっ! このひげ根みたいなのって菌なの?」
なかなか信じられなくて僕も笑ってしまったが、
根の一部だと思っていたひげ根はAM菌によるものであり、
このAM菌のおかげで
根は有機物質を栄養として吸収できるようになるとのこと。

このAM菌は絶対共生菌と呼ばれ、
根がないと生きていけない。
根が近くにあると活性化して共生しにいく。
このAM菌は土壌にも眠ったまま存在しているようだが、
数が少ないので
AM菌を新たに畑に入れるようにすると良いそうだ。

AM菌と根が共生すると
植物の光合成能力が180%に上がるとのこと。
だから成長促進や品質向上が認められるのである。

根と菌類とそれらが活性化できる環境があれば
大自然の仕組みを畑で作ることができる。
活性化できる環境が
すなわち「弱酸性型好気醗酵土壌」だ。

情報量が濃すぎた気もするが
僕の伝えたいという変態的な情熱の表れだと思っていただきたい。

7、まとめ


「人類は虫の食べ物を農薬で横取りしている」ので、
菌類、すなわち「弱酸性型好気醗酵土壌」で野菜を育て、
人の食べ物を作りましょうということだった。

菌類が野菜を育てると、
成長促進や品質向上が認められる。
だから美味しい。美味しいと安全が両方得られることになる。

食べてみるとわかるが、弱酸性の野菜は味が濃いと感じるだろう。
苦味やエグみが少ない、
野菜本来の強調したような美味しさが感じられる。
食べてみないとわからないと思うので
ぜひ一度お試しすることをオススメします。

ライター はまぞう

師匠(しーさん)からC3式炭素循環農法を学ぶ弟子の一人。
最初はどちらかと言えば苦手だったが
C3のおかげで野菜が好きになった。
アニメとプログラミングを愛する農業初心者。
ぶっちゃけ、C3式炭素循環農法は
異世界チートだと思っている(アニメの観過ぎ)。
初心者の視点から、
学んだC3式炭素循環農法をご紹介していきます。

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